アートなみやぎ

第3回「スガワラタカユキ」

スガワラ・タカユキ
1980年、宮城県栗原市生まれ。仙台市在住。
イラストレーター、グラフィックデザイナー 日本デザイナー芸術学院仙台校勤務
WORKS
仙台うみの杜水族館シャトルバスデザイン、サインイラストレーション
FORUSポスターイラストレーション・みやぎ生協「MiiCA」キャラクターデザイン
南三陸町観光ガイドブックイラストレーションほか

http://checkmatedesign.jp/

■2015年にオープンした「うみの杜水族館」ではどのようなお仕事をなさったんですか?

「シャトルバスの外観のデザインとそこから派生するサインイラストの制作を担当しました。サインイラストは現在でも中野栄駅ホームに看板として掲示されています。海の動物たちが人と一緒に空を泳いでいるかわいらしいイラストレーションです」。

■うみの杜水族館のイラストを制作するにあたって気を付けた部分はありますか?

「トーン&マナー。うみの杜水族館のキャラクター(モーリー)がフラットなデザインでしたので、そのイメージと喧嘩しないようにフラットに。けれどひとつひとつにかわいらしさを持たせることで人の目に留まるよう心がけました。さらに、パッと見て水族館だと分かることにこだわってデザインしました。
また、シャトルバスのデザインは何案かお出ししたなかで、最終的にペンギンに決まったのですが、道路の段差をバスが通過するとペンギンが頷きながら街の中を泳いでいうように見えるんです。思わぬ効果で(笑)とても面白いなと思いました」。

■宮城出身のイラストレーターとして地元のお仕事を引き受けるということに思い入れのようなものはありますか?

「うみの杜水族館のお仕事をいただいたのが2015年でしたが、そのあたりから少しずつ南三陸や福島のいわきなど沿岸部からお仕事を頂く機会が増えていました。気仙沼シャークミュージアム館内のマップ用イラストやメインイラスト、南三陸での観光用パンフレットで使用されたメインイラストなどがそうです。徐々にではありますがそのようなお仕事を通じて震災復興の手ごたえを感じていましたが、そのタイミングでいただいた「うみの杜水族館」のお仕事も震災復興の一環として受け止め、携われたことに深い感銘を受けました。ただ、どんな仕事でも、たとえ地元であろうと分からないことがたくさんありますので、多くの資料を集め、場所を描くのであれば現地まで足を運びます。そこで感じたことを作品に上手く投影できた時に喜びを感じますね。それでも地元のお仕事というだけで、嬉しくは思います。宮城で使用するイラストを宮城の作家にお願いする、その意味や熱意が伝わってくるからです」。

■震災の被災地でもある宮城。今後私たちにおけるデザインやイラストの役割をどのようにお考えですか?

「震災後からというわけではありませんが、地方都市の中でも宮城は今、全国から注目されています。けれど、なにもしなければその目も離れていってしまうので、たとえそれが小さなイベントだろうと、協力できる仲間の方たちと“モノづくり”をしていきたいと考えています。それを県外の方に見ていただく機会もまた、増やしていきたいと思っています。そうして、宮城が頑張っているなという姿を見続けていってもらいたいですね。具体的な活動としては、震災直後になりますが、子供達にむけた「お絵かきプロジェクト」というボランティアを行っていました。知り合いやHPでお声掛けした方々に使わなくなった画材を送っていただき、避難所に届ける、というものです。そこで実際に子供達を集めて絵を描くワークショップも行いました。現在は個人的な活動になりますが、ペーパークラフトでテントの形を作り、好きな色を塗って、中にLEDのキャンドルを入れる「あかりテントプロジェクト」という活動を行っています。震災当時の事をそれを見ることによって、もう一度思い出してもらう、忘れないための一つのオブジェとなっています」。

■最後に今後の抱負をお聞かせください

「震災から五年(2016年3月現在)が経ち、これからが分かれ道だと思います。忘れていってしまう人、見続けてもらえる人、その数が反転していかないように、これからもイベント活動などを通して宮城の姿を発信し続けていきたいと思います」。

以下画像:(上段)うみの杜水族館シャトルバス (下段左から)サインイラスト・オリジナル作品・あかりテントプロジェクト 

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